口管強とは?|令和8年度の施設基準を「人・実績・連携・設備」で整理

先端を丸くした根管治療用ファイルと黄色い2×2ブロックのイラスト

歯科医療者向け|保険診療ガイド・令和8年度改定
制度確認日:2026年10月20日

口管強(口腔管理体制強化加算)は、う蝕・歯周病・口腔機能の継続管理を支える診療体制を評価する仕組みです。「届出を出せば、すべての患者に同じ加算が付く」と考えると誤ります。施設基準と届出の確認、患者ごとの算定条件の確認を分けて整理しましょう。

今回は、令和8年6月1日適用の告示・通知をもとに、歯科診療所の施設基準を4つの入口から読みます。医院個別の届出状況や算定可否を判定する記事ではありません。

口管強の施設基準を人・実績・連携・設備の4領域で整理した案内図。基準の全項目ではなく、施設基準の照合、届出と算定開始の確認、患者ごとの対象・行為・回数・記録の確認へ進む。
独自作成の整理図(AI作成支援)。図は確認の入口で、基準の全項目ではありません。出典:特掲施設基準告示・六の二の三、施設基準通知・第13の2。2026年10月20日確認。

1.人:人員配置と研修を別々に見る

対象は保険医療機関である歯科診療所です。人員は「歯科医師が複数名」または「歯科医師と歯科衛生士が各1名以上」。さらに、告示では所定の研修を受けた常勤の歯科医師1名以上が必要です。一般の人員配置と、研修担当者の常勤要件を混同しないことが大切です。

研修には、エナメル質初期う蝕・根面う蝕・口腔機能を含む継続管理、高齢者・小児の心身の特性、緊急時対応等が含まれます。既受講の研修で一部を満たす場合は、不足分を補う研修でも差し支えありません。修了証等で内容を照合します。

2.実績:人数ではなく、対象区分の算定回数

主な実績は届出前1年間で集計します。下表の4行はそれぞれ別の条件で、行同士を合算して代用するものではありません。

主な実績条件(令和8年度)
対象区分過去1年の回数
歯周病継続支援治療30回以上
エナメル質初期う蝕管理料・根面う蝕管理料合計12回以上
所定の口腔機能管理に関する区分※合計12回以上
診療情報提供料(Ⅰ)・診療情報等連携共有料合計5回以上

※歯科疾患管理料は口腔機能発達不全症・口腔機能低下症の管理に限ります。このほか口腔機能実地指導料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料、歯科口腔リハビリテーション料3が対象です。通常の歯科疾患管理料をすべて数えないよう注意します。出典:施設基準通知・第13の2 1(2)(3)(5)、様式17の2。2026年10月20日確認。

経過措置にも注意:令和9年5月31日まで、通知1(2)(3)(9)キの実績には、令和8年5月31日以前の改定前区分と6月1日以降の改定後区分の回数を合算できます。施設基準全体が免除される措置ではありません。期間と対象区分をそろえ、旧新区分を対応させて集計します。

前提として、歯科初診料注1の施設基準の届出も必要です。在宅療養支援歯科診療所1・2を届け出ていない診療所は、歯科訪問診療料注16の届出も確認します。

3.連携:訪問診療は「5回」だけが入口ではない

在宅対応は次のいずれかです。情報連携の「合計5回以上」とは別の要件です。

  • 過去1年間の歯科訪問診療1・2・3の算定回数と、連携する在宅療養支援歯科診療所1・2/在宅療養支援歯科病院に依頼した訪問診療の回数が、合計5回以上。
  • 訪問診療を行う別の医療機関や地域の在宅医療の相談窓口と事前協議し、十分な訪問診療体制を確保。

加えて、偶発症等に対応する別の保険医療機関との事前連携が必要です。医科歯科併設診療所は、自施設の医科との連携体制がある場合の扱いがあります。自院で訪問する患者には、迅速に訪問できる担当医・診療可能日・緊急時の注意事項等を事前説明し、患者または家族に文書で提供します。

さらに、研修担当の歯科医師本人が、通知に列挙された地域活動等12項目のうち3つ以上に該当する必要があります。地域ケア会議、学校歯科医、認知症研修などが含まれますが、項目ごとに「過去1年」「年1回以上」「経験」「研修受講」等の条件が異なります。医院全体で担当者の異なる実績を寄せ集めず、通知106〜107頁の全12項目と届出様式で確認します。

4.設備:各ユニットの環境と救急対応

切削や義歯・歯冠補綴物の調整等で飛散する微粒子を、歯科ユニットごとに吸引できる環境が必要です。装置・器具は、AED、パルスオキシメーター、酸素供給装置、血圧計、救急蘇生セット、歯科用吸引装置を確認します。AED保有を示す院内掲示は「望ましい」とされ、必須要件とは区別します。

メリットは継続管理の評価。体制を維持する負担もある

例えば、18歳未満の口腔機能発達不全症の患者について、小児口腔機能管理料本体の要件を満たして算定する場合、届出済みの口管強施設では50点を加算します。本体には、歯科疾患管理料等の算定、同意と評価に基づく管理計画、文書提供・記録などの条件があり、算定は月1回です。全来院患者への一律加算ではありません。対象・行為・回数・写真撮影を含む記録等は、歯科点数表B000-4-2と留意事項を確認してください。

研修、設備の維持、地域連携、実績管理にも時間と費用がかかります。点数上の評価と費用控除後の利益は別で、届出による増収額を一律には見積もれません。

届出前にそろえる資料

施設基準の届出には様式17の2と、該当研修をすべて修了したことが確認できる文書を用います。研修名・実施主体・修了日・修了者氏名等の一覧でも可とされています。富山・石川の診療所は東海北陸厚生局の令和8年度様式と提出先を確認してください。届出の受理・算定開始時期まで確認したうえで、患者ごとの要件照合へ進みます。

次回は、CAD/CAMインレーについて、光学印象・歯科技工士連携加算2と従来法の実点数を、1歯/複数歯の条件をそろえて比較します。初回:光学印象の算定前に確認する4つの条件もご覧ください。

出典・確認日

本記事は制度の一般的な解説です。個別請求は最新の原通知と所管へ確認してください。AIによる調査・作成支援を利用し、公開後に運営者が確認・追記修正する方針です。

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