令和5年2月5日、秋葉原で開催された関東歯内療法学会のセミナーに行ってきました。
東京医科歯科大学歯髄生物学講座の興地教授、エンドドンティストとして活躍されている田中先生、歯髄観察と診断の第一人者として有名な泉先生の生の講義が聞ける大変貴重な講演会でした。
今回は、セミナーで感じた反省点を踏まえて、私が積極的に取り組んでいる深在性う蝕の治療について、特に、European Society of Endodontology(ESE)の深在性う蝕および露髄への対応に関するPosition Statement(PDFはこちら)を参考に、勉強していきたいと思います。
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目次
・soft dentine:軟化象牙質、手用器具で抵抗なく簡単に取れる
・firm dentine:手用器具で切削すると抵抗を感じる
・hard dentine:プローブで挿したり擦ったりしても抵抗がある
・selective removal to soft dentine:歯髄周囲のsoft dentineは残し、それ以外のところはhard dentineになるまでう蝕を除去する
・selective removal to firm dentine:歯髄周囲はfirm dentineを残し、それ以外のところはhard dentineになるまでう蝕を除去する
・non-selective removal:歯髄周囲も含めてすべてhard dentineになるまでう蝕を取り除く
・indirect pulp capping:歯髄周囲の薄い象牙質に生体材料*を応用する方法、通常はhard dentineになるまですべてのう蝕を除去する(non-selective removal)、選択的う蝕除去1回法やステップワイズエキスカーベーションよりアグレッシブな方法といえる
*biomaterialと記載していますが、具体的にどのような材料を意味しているかは不明(水酸化カルシウムやケイ酸カルシウム系セメントだけではなく、グラスアイオノマーセメント、コンポジットレジンなど広い意味の生体材料というニュアンスでした)
・selective carious-tissue removal in one-stage:歯髄周囲はsoft or firm dentineまで除去して、それ以外のう蝕はhard dentineまですべて取り除き、そのまま最終修復を行う。(選択的う蝕除去1回法)
・stepwise excavation:歯髄周囲はsoft dentineまで除去して、それ以外のう蝕はhard dentineまですべて取り除き、仮封まで行う。その後、6〜12ヶ月後にre-entryし、残存う蝕をfirm dentineになるまで除去し、最終修復を行う。(選択的う蝕除去2回法)
・direct pulp capping:直接覆髄法、class 1;非う蝕性(外傷性または医原性)、 class 2;う蝕性
・partial pulpotomy:部分断髄法
・full pulpotomy:歯頸部断髄法
今回はまず用語の整理を行なってみました。
次回は、深在性う蝕への対応の実際を勉強してみましょう!
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