プラスチックの詰め物と知られるコンポジットレジン。
シリンジから押し出して使えるフロアブルコンポジットレジンflowable composite resinが、使い勝手がとても良いので、歯科の臨床でよく使われています。
実に多くの商品が発売されていますが、私がよく使っているものをまとめてみます。
目次
厳密には、光重合型コンポジットレジンのことをいいます。
光重合型コンポジットレジンlight-curing composite resinは、合成樹脂(Bis-GMAといったベースレジン)に、シリカなどのセラミックの微細粉末(フィラー)を混ぜたもので、カンファキノンという光重合触媒によって、光を当てると固まる、歯科臨床の幅を画期的に広げてくれた歯科材料です。
特にフロアブルコンポジットレジンは、シリンジを押し出して使えるように流れをよくして、操作性を向上させたもので、歯科臨床で、型取りで使う印象材と一緒に、最も使われている歯科材料の一つといえます。
ライニング、歯冠修復、支台築造、歯牙固定など、実に様々な場面で活用できます。
フロアブルレジンは、
・通常のもの
・流れのめちゃくちゃ良いもの
・一括充填できるもの
・光が届かない場所でも固まるもの
で使い分けています。
通常のものは、クラレノリタケデンタルの「クリアフィルマジェスティESフロー Low」を使っています。
最近、歯の色を合わせなくても、ユニバーサルという色で統一され、歯の色を合わせやすくなりました。
流れが良すぎず固すぎず、ちょうど良くて、フロアブルなのに強度もかなり強いので、通常のCR修復のときに使っています。
クラレノリタケデンタルの「クリアフィルマジェスティESフロー High」を使っています。
ライニング材として使っています。
歯を削った直後の凸凹した面をツルツルな平面にするときにとても有効です。
GCデンタルの「グレースフィル バルクフロー」を使っています。
光透過率がよく、光硬化深度が深いことで、一括充填できると謳っているものです。
根管治療済みの歯の支台築造のときによく使われています。
GCデンタルの「ユニフィルコアEM」を使っています。(どちらでも良いですが、クラレノリタケデンタルの「DCコア」が一般的かもしれません)
これらには、光重合触媒とともに、化学重合触媒が入っていて、光照射が当たらなくても、化学重合で時間が経てば固まってくれます。
光が届かないような、根管内の深い場所を埋めるときに使います。
以上、フロアブルコンポジットレジンの使い分けについてまとめてみました。