深いむし歯の神経をよく見てみよう1

むし歯が深くて、歯の神経まで行ってしまいました。

痛みもなく、何も症状もありません。

でも、症状がないからといって、歯の神経は元気といえるのか？

術前検査

・歯の根の数：２つ

・寒冷診：冷たいものに反応あり？

・電気診：陽性

一応、歯の神経は生きていると判断しました。

神経を残したいという希望もあり、しっかり残してやろうと思い、マイクロスコープの拡大視野下で治療開始へ！

歯髄の実際の様子

ショート動画も作ったので、ぜひみてみてください！

（スクロールして下にいくと動画みれます）

まずは、歯髄の周りの虫歯だけを除去したあとの状態。

かなり虫歯が進んでいて、柔らかくなっている象牙質がたくさんできています。

虫歯を慎重に取って行きましたが、歯の神経がちょっと見えてしまいました。

ここまできたら、歯の神経が露出するのを恐れず、虫歯を完璧に除去していきます。

歯の神経からはあまり血が出てなく、元気がなさそうに感じました。

でもちょっと出血するのがみえたので、さらに神経の部屋を広げて観察することに

歯の神経の部屋を広げて、マイクロスコープを拡大してみてみると、血流が確認されました。

一応、歯の神経は残せると思ったんですが、

意外に元気がなさそうだったので、虫歯からは遠いもう１本の根の神経も確認することへ。

私のYouTubeにショート動画があるので、ぜひ確認を！

写真の上は虫歯に近かった根の神経で、写真の下は虫歯から遠い根の神経の状態。

上はかろうじて血流があったので、なんとか歯の神経を残しても大丈夫かなと思ったら、

下の神経は、虫歯から離れていたにもかかわらず、血流を失っていて、壊死していることがわかりました。

ここまできたら、もう通常の根管治療を行うべきかと思いますが、

患者さんの希望もあり、残っている神経だけでも残してくれということで、片方だけ歯髄保存へ。

今のところ経過は良好。

歯髄の診断は、本当に難しい！

それではまた！