金川歯科医院AXノート|第11回
前回の見積書作成では、コンサル後に残る作業を見つけ、医院の料金体系に合わせた実装と改善を紹介しました。今回の題材は、同じWEBアポ連動プロジェクトから広がった、診療情報提供書と定型返書の作成支援です。書式を整える作業と、伝える診療内容を決める判断を分けて考えます。
目次
見積書から、Wordの書類作成へ
開発記録には、見積書の拡張機能へ診療情報提供書の作成を追加し、Word形式で出力する機能を配布した報告があります。便宜抜歯・根管治療に関する定型返書や歯式を扱う機能、処方欄の配置を要望に合わせて変更した記録も残っています。
書類ごとに書式を最初から作り直す代わりに、ひな形と入力欄を用意する。こうした部分をプログラムに任せ、必要な内容を選び、補い、確認する工程へつなぐことが、今回取り上げる作成支援です。定型文があることは、その文がどの患者さんにもそのまま当てはまることを意味しません。
現行の確認範囲は「AIなし版」
今回、2026年10月30日に最新の開発報告を読み直しました。確認できたのは、10月9日に作成・配布が報告されたバージョン0.8.0です。本人の要望を受けて、文章のAI支援とAI接続設定、外部AIへの送信処理を削除し、Excel見積書・Word診療情報提供書・定型文・歯式は維持したと報告されています。
以前の記録には文章作成のAI支援が登場しますが、確認した最新版の機能としては紹介しません。Codexを開発に活用することと、完成した書類ツールが実行時にAIを使うことは別です。必要な入力や書式が決まっていれば、定型的な処理を中心に構成する選択もあります。
この開発報告から言えるのは、当該版でAI関連機能を取り除いたという範囲までです。院内のすべての端末が更新済みか、ほかの仕組みも含めて情報の外部送信が一切ないかまでは、今回確認していません。
出力できた後に、何を確かめるか
以下は、書類を確定するまでの確認を整理した本連載の設計例です。現行ツールにこれらの照合や停止処理がすべて実装されている、と示す表ではありません。
| 段階 | 人が確認する内容の例 |
|---|---|
| 対象を選ぶ | 書類の対象者と、参照している記録の対応が合っているか |
| 本文を整える | 選んだ定型文・歯式・追記が、伝える診療内容に合っているか |
| 宛先を確かめる | 紹介先・担当者・書類の目的に相違や空欄がないか |
| 出力を確認する | 抜けや文字切れ、不要な文が残っていないかを見てから確定・受け渡しへ進む |
たとえば、定型文を選んだ後で紹介目的が変わった場合、古い内容が残っていないかを見直す場面が考えられます。これは架空の例です。文書が読みやすく整っていても、元の記録と対応しているかは別に確認します。診療判断や記載内容の確定、宛先の照合、受け渡しを、人の確認工程として設ける案です。
確認できた試験と、残っている課題
0.8.0の開発報告では、架空データで書類出力と旧AI送信要求の拒否を確認したとされています。一方、Windows版Edgeでの実機確認は未実施と明記されています。本記事の作成時には、プログラムや出力ファイルを直接検査したり、実患者の情報を使って操作したりしていません。
今後の検証案としては、必要項目がそろう例に加え、空欄のある例、長い文章、定型文を変更した例を架空データで試す方法が考えられます。入力時の表示だけでなく、Wordで開いた文書や印刷結果まで確認します。対象者や宛先が照合できない場合の扱いも、運用前に決めておく項目です。
書類作成支援の成果は、出力できたことに加え、内容の確認や修正にどれだけ手間が残るかを見て評価したいと考えています。現時点では、全端末での動作、継続運用の状況、作成時間や誤記の減少を示す実測値は未確認です。
次回:「WEBアポ連動プロジェクト③|歯科衛生士実地指導用紙と歯周検査をつなぐ」。書類へ反映する情報と、確認が必要な対応関係を整理します。
開発記録確認日:2026年10月30日。実装・試験の説明は、2026年10月9日の開発報告と既存の開発概要に基づきます。本記事はAIの作成支援を利用しています。公開後に運営者が内容を確認し、必要に応じて追記・修正します。患者情報・実際の診療書類・院内接続情報は使用していません。
歯医者のどんちゃん 